自宅警備員の雑記帳

趣味関連をボソッとダラッと

2月19日はプロレスの日

 今の時代、テレビでプロレスファンになったという人は珍しいのではないでしょうか。そういう人は、もっと上の世代でしょう。

 プロレスが好きな人って、やっぱり親の影響が大きいんじゃないかなと。親がプロレスファンで、プロレス観戦に連れて行ってもらったとかがきっかえじゃないでしょうか。

 俺がプロレスを知るきっかけになったのは、そんなプロレスファンの親の影響でプロレスを齧ったらしく、乱暴な近所の上級生、西沢に、プロレス技をかけられるようになったことです。

 プロレスを知るきっかけは最悪なものでした。

 そいつは俺をプロレス技の練習台にして、コブラツイストだとかチョークスリーパーだとか4の字固めだとか色々と技をかけてきては、俺が痛がり嫌がる姿を喜んでいたガキ大将風。

 最初は怯えてベソをかきながらやられるがままだったものの、段々と怒りの感情が芽生えてきて、さすがに頭に来たぞとなった時、やり返してやろうって考えになりました。

 俺だって毎週ドラゴンボールを読んで、身体を鍛えることを密かにしていた男。
 

不当な力で 自分もしくは正しい人々を

脅かそうという敵には ズゴーンといっぱつかましたれ!!

ドラゴンボール 亀仙人

 亀仙流の教えの通り、こいつには一発かましてやりたい。

 やり返してやりたいが、あいにく、かめはめ波は出ない。それにやり返すなら、相手お得意のプロレス技でねじ伏せてやりたかったのです。

 そこで考えついたのが、ゲームで技を覚えよう!というものでした。

 

メサイヤスーパーファミコン用ソフト「全日本プロレス

 このゲームは人生初めての、箱なし・説明書なしの中古ゲーム。購入当時はプロレスファンじゃない上に、技の出し方も、何が勝敗を決めるかもわからない状態。
 それでもCPUとの対戦をいくつもこなすうちに、リングに押さえつけて3カウントで勝利になるルールを知ったり、手足で殴打する技やリングに相手を叩きつける技、相手を締め上げる技のバリエーションをしりました。

 ゲームだと技を繰り出すにはコマンドがあることを知り、しかも選手によってできることできないこともあることが分かったので、それらを書き出してオリジナルのコマンド表を作り上げるぐらい熱中して小手先だけでも詳しくなろうとしました。

 そしてプロレス技の動きを記憶して古本屋へと駆け込み、プロレスの本で技名を覚えたりして、写真で実際の身体の動かし方をイメージするようになりました。

 その中で、付け焼き刃の俺でもできそうな技で尚且つダメージが大きそうな技をよ~く覚えました。

 

 そしてある日。
 西沢からいつもどおりに技をかけられそうになった時にやり返す瞬間がやってきたと思った俺は、必死に抵抗して西沢から離れて一定の距離を取り、西沢目掛けて駆け出しました。

 喰らえ!これがプロレス界で一番身体が大きい選手の技だ!

 見様見真似・ジャイアント馬場のランニングネックブリーカードロップ

 身体の大きい西沢でも勢いよく首に腕をかけて俺の両足を振り上げれば、虚をつかれて転倒しました。この技は自分も倒れますが、腕に体重を寄せれば相手が下敷きなるので相手のほうが大きいダメージを負います。

 腰と後頭部をうって痛がる西沢の姿を見て、効果を感じた俺は興奮MAX。つづけて頭を掴んで無理やり立ち上がらせ、膝を曲げて浮かした足の上に、西沢の頭を乗せて一気に地面を踏みつけました。

 見様見真似・ジャイアント馬場のココナッツクラッシュ

 本来は太ももらしいんですが、初の実演はズレが生じてしまい、膝の上に乗った状態でココナッツクラッシュをお見舞いしてやりました。

 二度にわたり頭に強い衝撃を受けた西沢は転がったまま小さく

「助けて」

 とうめくように助けを乞い出した姿に、カタルシスを感じました。

 幾度も技をかけられた積年お恨みが晴れた瞬間!仕上げに頭をサッカーボールキックしてやっても良かったのですが、そこは武士の情け。

 目が虚ろで金魚みたいに口をパクパクしていたので、やり過ぎちゃったと思った俺は、慌てて教員を呼びに行き、救急車で運ばれていきました。

 事情を説明した俺は、

「そういう過去があったなら仕方ないね」

 ぐらいで済むと思ったが、しっかりと叱られてしまいました。

 プロレスでは勝者にベルトが引き継がれるらしいのですが、この乱闘劇で見事、「乱暴者」のレッテルを引き継いでしまいました。

 乱暴者に思われるのはあまり好ましくなかったので、そこからは鳴りを潜めて穏やかになりました。一応。

 これをきっかけにプロレスを知ることにはなったものの、周りにプロレスファンはいないし、テレビは深夜だった上に、野球の方が興味が強かったこともあって俺の中でのプロレス熱は廃れていきました。

 ただ、ストリートファイターをプレイする時は、自然とザンギエフを選んでしまうので少しは根付いているのかもしれません。

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